最近、自宅近くでもイタチを見かけるようになった。


郊外の、畑や水田の多く残る地区でなら、たまに見かけることはあったが、そんなもの、疾うに消え失せた住宅地を、ネコより一回り小さい金色の毛玉が駆け抜けていくのを見るのは、少し奇怪な感じがする。

厳冬の最中に遭遇して、冬眠しないでいることを不思議に思ったりもした。雪が積もったところでイタチの毛並みが白くなることはないけれど、イタチは、白い冬毛の美しいオコジョの仲間であることを忘れており。

生ゴミでも漁っていたのか、マンションのゴミ置き場から飛び出してきたこともあった。本来の食性を詳しくは知らないが、住宅地の環境に適応するにつれ、雑食傾向を強めているかもしれない。


子供の頃は「冒険者たち」を愛読していたので、イタチといえば主にネズミを食べている動物というイメージが出来上がっている。そういえばドブネズミもしばらく見ないな。


古い木造の家など、天井裏に巣を作られて困ったことになると、まだ家が木造だった頃に聞かされた覚えがある。排泄物で天井材が腐るのだそうだ。スズメが瓦の隙に巣を作り、夜中になるとクマネズミが天井裏を走り回る家であった。


それがどうも、最近は新築家屋が荒らされる事例が増えているらしく、検索すると駆除業者の広告サイトがいくつもヒットする。屋根下などに置かれたグラスウールなどの断熱材が彼らの巣材に好適で、西日本の都市部で被害が拡大しているという。

イタチは鳥獣保護法で原則捕獲が禁止されており、侵入されても自治体首長の許可が無ければ駆除ができない。したがって、駆除を謳っていても、業者が実際に行えるのは侵入防止工事程度のことのようだ。


西日本で被害を拡大させているのは「チョウセンイタチ」で、戦前に毛皮業者によって持ち込まれたものが逃げ出すなりして広まったと言われている。つまり外来種ということだが、現状では特定外来種の指定を免れている。





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