庄内川の河川敷に、夏野菜の支柱に使うための竹を採りに行ったら、砂地にカメのタマゴの殻がたくさん散らばっていた。




近所の川にもカメはたくさん棲んでいて、天気の良い日には石や護岸の上で何匹も日光浴をしている姿をよく見かける。

でもその生態はあまり知られていない。主に俺に。


昔、イシガメの幼体を拾ったことがあるのだが、時期が真冬で、とにかく冬眠させねばと思ったものの方法が分からず、挙句、ワタにくるんで紙箱に放置して乾燥死させるというひどいことをやらかしたのが軽くトラウマになっており、カメに限っては未だに飼育しようという気になれない。


実のところ、カメの冬眠については未だに理解があやふやなままだ。漠然と、寒くなると陸に上がり、どこかの土の中にもぐって冬眠するのだろうと思っていた。

冬眠する場所が無いように思われるコンクリ護岸の都市河川にアカミミガメがわんさか生息しているのは、家庭排水も流れこむために真冬でも一定の水温が保たれているからであろう。厳冬期には川面が凍結することもあるが、暗渠口から下水管に入ってしまえば温かいので問題ないに違いない。

なんせ、冬の厳しいニューヨークですら下水道にはワニがうじゃうじゃ棲むという。


…いつまでもあやふやな理解のままでいるのもどうかと思い、今回調べてみたのだが、結論を先に書くと、水棲のカメは、「水中」でも冬眠が可能らしい。

冬眠中の呼吸は咽頭部や腸の粘膜などから水に溶け込んだ酸素を直接に毛細血管へと取り込むかたちで行われ、肺呼吸は必要ないのだという。

自然環境下では水底の泥などに潜って冬眠するとされ、飼育下では落ち葉などを沈めて冬眠床とするやり方が主流であるようだ。

水底のように有機物の多いところは貧酸素環境なのではないかとも思うが、 陸上で冬眠するにしても土の中で酸素の供給は絶たれていることから想像するに、冬眠中は仮死状態にあり、呼吸する必要がないのではないか。


では繁殖はどうしているんだろう。

近所の川も、コンクリ護岸の場所が多いとはいえ、数は少ないが中洲状の場所もあり、わずかに砂州も確認できる。堤防も土積みの場所があるので、その気になれば産卵も行えそうだ。

ただ、そういう場所はたいてい草が生い茂っているため穴を掘るのも容易でなく、ほとんどの場所は実際には産卵に不適であると思われる。

産卵場所のない環境下での繁殖の可能性については、飼育下では、事故的に水中で産卵してしまう個体も存在するが、水の中では、卵は呼吸ができないため数日で死んでしまうとのことらしい。(参考:カブトニオイガメは水中孵化可能でしょうか。 - Yahoo!知恵袋)

海外の愛好家フォーラムとかも覗いてみたが、 水中で産卵したものがそのまま孵化に至ったような事例の報告は見つからなかった。

都市河川では、カメの繁殖は難しいのではないか。


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※2016年6月18日追記:朝宮公園付近で真っ昼間っから産卵中の個体に遭遇。
こいつら芝草程度ものともせず余裕で穴掘りよるわ。




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