庭の、雨水を溜めているポリバケツに、金色に輝く膜のようなものが。



…これ「ヒカリモ」だよなぁ。

国指定の天然記念物を集めた図鑑で見て名前だけ記憶していたのだが、まさかこんな身近な場所でお目にかかれるとは思っていなかった。


国の天然記念物に指定されているヒカリモは、ヒカリモが日本で最初に学術的に発見された千葉県富津市萩生の海蝕洞「弁天窟」内の水たまり(通称・黄金井戸)に発生するもので、毎年菜の花の咲く頃になると水面が黄金色に輝くさまが観察されるという。

同じ千葉県の、館山市沼地区に発生するヒカリモについての研究によると、ヒカリモの金色に輝く反射膜の形成には適当な光量(300~500 Lux)と一定濃度以上のカルシウムイオンの存在が不可欠らしい。それでヒカリモが発生した理由に見当がついたというか、このバケツ、何日か前に石灰を溶かした水を入れたのだった。

各発生報告を読むと、発生には季節性が無いのに、個々の発生地においては周期性が現れるのというのは、カルシウムイオンサイクルみたいなものが環境内に存在してるということだろうか。


このバケツの水、ほとんどは雨水由来だが、昔にどこかの川から汲んできた水も混ざっていて、藻だの巻き貝だのカイミジンコだのが棲み着いている。

なので、ヒカリモの正確な侵入経路はわからない。多分、こいつはそこらじゅうの水の中に隠れているのだろう。



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