今年の夏はゴーヤも栽培したが、庇があって、あまり雨の当たりのない場所なので、普段、野菜栽培に使っている防草シートを袋状に加工した自作プランターではなく、底にしっかり水のたまる、既製のプランターを使用して、酷暑に備えたつもりだったが間に合わず、結局、毎日水やりをするはめになった。

朝の数時間しか日照がない場所であることもあり、あまり期待してなかったが、そこそこ収穫もあった。葉の色が薄いが、肥料分が足りないのだろうか。

別の場所で露地栽培にも挑戦したが、 ほんの数日の間に、大量のダンゴムシにたかられて、苗が全部ダメになってしまった。

ダンゴムシは基本、腐食性だと思っていたが、落ち葉が乏しいと生葉にもたかるようだ。むしろダンゴムシは、ゴーヤやヘチマの新芽の柔らかい部分を、落ち葉よりも好んで食べているように思える。


収穫したゴーヤを使って、久しぶりに、ゴーヤチャンプルーを作ってみた。レシピの確認を、と思って検索してヒットするのは「何か違う」ものばかりで、ゴーヤにスパムと島豆腐と卵(と少々の調味料)だけを使って作る、古式ゆかしきゴーヤチャンプルーの作り方が、なかなか見当たらない。

今回のレシピは、現地の方の書いたものを参考にさせて頂いたが、しかしウチには鉄鍋も火力も島豆腐スパム(ランチョンミート)も無いので、そのへんは適当にごまかした。

*ゴーヤチャンプルーの作り方(3人前くらい)

まず熱したフライパンに油をひいて、固めの木綿豆腐一丁(無ければキッチンペーパーなどに包んで重しをして水を切ったもの)を、適当な大きさに切って、なるたけ崩さないように心がける感じで炒め、十分に水分を飛ばす。水が飛んだら、豆腐はいったん皿にとりあげる。

ゴーヤ(大きめのもの1本・適宜)は縦に割って、種とワタをスプーンでそぎ落とす。これを薄く半月切りにする。ランチョンミートの代わりには、魚肉ハンバーグ(1本)を適当な大きさに切って使った。

ゴーヤと魚肉ハンバーグを再加熱したフライパンに投入、塩コショウ少々と白だしを小さじ1程度回し入れて炒める。ゴーヤに火が通ったら、先に炒めておいた豆腐を投入。ざっくり混ぜたらフライパンの火を落として、溶き卵(2個)を回し入れてかき混ぜ、花かつおをひとつかみ投入→完成。



試食中、ゴーヤとカツオ節の相性の良さが妙に気になって、試しに検索してみたら、ゴーヤ料理にカツオ節を加える意味について検証した論文が見つかった。


(1)生ゴーヤおよびゴーヤチャ ンプルの苦味強度はかつお節をまぶすことによって著しく低下した.

(2)苦味抑制効果はかつお節エキスよりもかつお節エキス調製後の だしがらに著しく認められ,ゴーヤエキスにかつお節だしがらを加えて乳鉢でよく混和したところ,その上清の苦味は大きく減少していた.

(3)かつお節だしがらを詰めたカラムを作成しそれにゴーヤエキスを通したところ,ゴーヤ中の苦味成分はカラムに強く吸着し蒸 留水では溶出されなかったが60%エタノールによって溶出された.

これらの結果から,かつお節にはゴーヤ中の苦味物質を強く吸着する 性質があることがわかり,この性質によりゴーヤに含まれる苦味成分を舌に感じさせなくすることがかつお節の脱苦味作用であると考えられた.

ゴーヤの苦味成分である、ククルビタシンとかモモルデシンが、カツオ節のイノシン酸あたりと反応して不溶性の物質に変わる、とかではなくて、苦味成分をカツオ節が吸着し、不溶化することで、舌が苦味を感じなくなるという仕組みらしい。

試しに、花かつおの代わりに和風だしを使ったゴーヤチャンプルーを作ってみたのだが、確かに花かつおを使ったものに比べると、苦味が強く残ってしまっている。

花かつおを使った方は、ほとんど苦味が気にならない。
こいつを肴に飲んだビール(…は飲めないのでホッピー黒)のほうが苦いと思ったくらいだ。



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