1月6日は、キリスト教の「公現祭」、つまりイエス・キリストの顕現を祝う日である。日本では12月25日の聖誕祭のほうが有名で、より広く知られているが、どちらもつまり、イエス・キリストが生まれたとされている日だ。

なんで誕生日がふたつあるのかようわからんが、当の教会もようわからんかったらしく、どっちも採用した結果、間の約二週間がいわゆるクリスマス休暇となっている。


その公現祭の日に、フランスでは「ガレット・デ・ロワ」というお菓子を食べる。フランス語で「王様のケーキ」という意味の、紙でできた王冠をかぶった、アーモンドクリームの詰まったパイだ。

アーモンドクリームの中には、フェーブ(※そら豆)という、陶器でできた小さな人形が隠されていて、切り分けた時に、これが入っているものを引き当てた者は、一年の幸福を得ることができるといわれているらしい。


「イベント」と「食い物」の組み合わせが大好きな日本人が、これに目をつけないはずもなく、ここ何年かの間に日本でも流行りそうな気配を見せている。今季はついにコンビニ大手の一角ローソンが期間数量限定で商品ラインナップに加えた。

クリスマスにケーキを食べそこねたので、代わりにと思って、年明け、近所のローソンを何軒か回ってみたのだが、どこも売り切れだった。そのあと近所の洋菓子店も探して、なんとか手に入れることができた。流行りそうな気配ありと言っても、クリスマスからそんなに間がないし、クリスマスケーキほどは売れないだろうからな。小さな店は手を出しづらいのだろうね。


写真などから、月餅のような、中身のずっしり詰まった重たいお菓子を想像していたが、箱から出てきたのはサックサクのパイだった。あまりにもサックサクで、きれいに切り分けるのが難しい。サックサクのパイもおいしいけれど、このケーキに関しては、あまりパイ生地が膨らまぬように焼くほうが良いような気もする。

中身は卵黄の香りの素朴なアーモンドクリームで、子供が食べることを意識してか、洋酒の類の使用はないようだった。4つに切り分けて、一日ひとかけづつ食べることにした。



アーモンドクリームの中には、ちゃんと陶製のフェーブも入っていた。思ったより小さくて、なかなか精巧にできている。これはコレクター魂が疼くだろうなと思った。店によっては特注のものを用意したり、人気の工芸作家とコラボレートしたりすることもあるようだ。沼が深い。


情緒はないが、製菓用品の専門店に行けば、このフェーブだけを買うこともできる。通販が可能な店もある。ただし、日本でこれを中に埋め込んだガレット・デ・ロアを焼いて提供することは、食品衛生法上、問題がある可能性がある(第6条4項)。このことは、ちゃんと商品説明にも書いてある。

だから、日本でガレット・デ・ロアを買うと、フェーブはパイの中には入っておらず、フェーブだけ別包みになっていることが多いようだ。注意書きがあればじゅうぶんだと思うけどねぇ。




ローソンのガレット・デ・ロアには陶製のフェーブの代わりにアーモンドが入っていたようだ。もちろんコストの問題が大きいが、陶製のフェーブを使用して、誰かひとりでも誤飲で気道閉塞でも起こそうものなら賠償と商品の回収で利益が吹っ飛びかねず、コンビニのような、不特定多数相手の商売では、なおのこと、難しいのだろう。


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