北海道出身の小説家、渡辺淳一氏のご親戚の中に、小樽がニシン漁で賑わっていた頃、本土からの出稼ぎ漁師たちを束ねる網元をなさってた方がいて。

わたしの親戚にも、この網元がいて、一度、小説に書いてみようかと、旧家に残っていた古書類を見せてもらったが、なかに「執権」という言葉が出てきて驚いた。

読んでいくと、これは一家を司る大番頭のような立場の男のこと。

さらに、親方に息子がいても、網元の家では原則として息子に継がせず、ほとんどが娘に婿を取り、その男に継がせていたようである。

その理由は、一年を三ヶ月で稼ぐので、その他の月日、男たちは酒と女に明け暮れる。

おかげで息子のほとんどは金まみれの馬鹿になるので、他家からきた娘婿のほうが家を守るのに適していたから、とのこと。

消えた栄華 : 渡辺淳一「あとの祭り 親友はいますか」


北条執権を意識したものだとしたら面白いな。

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